誠は家に着くと、自分の部屋に入ってカバンから日記帳を取り出した。

「さてっ」

日記帳を開くと、ペンを手に取った。

「こんなくだらん日記は、今日で終了や」

そう呟いて明日の日記を書こうとした、そのときだった。

「……何や、これ?」

日記帳に何やら、紙切れが一枚挟まっている。それを手に取った。

「……え?」

そこに書いていた事に、誠の表情は凍りついた。




『南原 誠へ
三富千里は、バカ丸出しですよね。日記の力を、高く評価しすぎた故、あんな失態を犯すとは』



全身に鳥肌が走った。

「何や……何や、これ!」

まだ、続きがあるようだ。

『とりあえず、私もあなたと同じ学校の生徒です。日記を持つあなたには、毎日お会いしたい。そのため、ゆとり教育を無くしました』

「ゆとり教育を……無くしたやと……?」

相当な権力者?いや……

『はっきり言います。私は、あなたの敵です。私を見つけ出して、倒してみてください。しかし、ダラダラやっても面白くありません。三日です。三日以内に見つけられなかったら、0時丁度にあなたを殺します。では』

「え?」

何がなんだかわからなくなった誠。しかし、一つだけははっきりとしていた。




俺以外に、まだ日記を持ってる奴がおる……




そう考えるのが、今は一番自然だ。ゆとり教育を簡単に無くすことなど、どう考えても日記の力でしかできない。