「あれ?そうやっけ…」

「あの娘、お前のこと好きなんやろ?」

「え!いきなり何で?」

「はぁ?誠、去年あの娘にラブレターもらっとったやんけ!」

「えぇー!ホンマ?」

「去年の……そうやな、丁度今ぐらいの季節の時にお前の机の中にラブレター入ってて、誰かと思えば三富千里からやって、お前『うわ、あいつかよ、気持ち悪い』って言ってその場で破り捨てとったやんけ!」

「あぁ……何か思い出してきた……あれが千里ちゃんやったんか……」

「全然覚えてないん?なかなか最低やぞ、お前」

「俺、あの頃はめっちゃメンクイやったからなぁ…ヒドいことしたわ……あ、千里ちゃん、どっち行ったかわかる?」

「校舎出て行ったから、帰ったんちゃうか?」

「うわぁ、マジで?ほんなら明日、学校ですぐ謝るわ……」

「おう、仲良くしろよ」

誠にそう告げると、田島は自分のクラスに帰って行った。

「なんか俺……最低やな……やっぱり今日、学校終わったら家まで行って謝ろう」




放課後。

「さてっ……」

誠はスクールカバンを手に持つと、教室を出た。

「……あれ?よく考えたら、俺千里ちゃんの家、どこかわからん…」