「ほれ、早よ立たんかい」

「うるさい、まだや…まだまだ!」

誠は精一杯力を振り絞って立ち上がった。

「おら、麗菜…かかってこい!」

しかし誠は相当ダメージを受けていて、立っているのがやっとだった。

「…誠、お前そんなフラフラでどうする気や?俺に勝てると思うか?」

「うるさい…」

「誠、もうええやろ?」

「俺は…勝つんや……」

誠はゆっくりと麗菜に近寄り、麗菜に倒れこむようにもたれかかった。

「…誠、やめとけ。もう無理やろ…え?」

誠は急に勢いよく麗菜の腹部を殴った。

「うっ…くそ……」

「騙されたな!麗菜、お前の攻撃は効いてないわ!」

誠は次に麗菜の足を蹴り、続いて拳をあごに撃った。麗菜は頭から地面にバタンと倒れた。

「どうや、麗菜!立てるか?」

「うっ……」

麗菜は軽い脳震盪を起こしたのか、立ち上がることはできなかった。

「勝った!麗菜に勝った!」

誠はガッツポーズをとって喜んだ。

「誠……」

「あ?」

「…お前、こんな勝ち方して……ホンマに嬉しいんか?」

「え?」