麗菜はねじっていた誠の腕をほどいた。

「お前の言うてることは全然意味わからんけど…何か必死やから、久しぶりやし、やったろうやんけ」

「よっしゃ、それでこそ麗菜や。かかってこい!」

麗菜は素早く拳を繰り出した。誠は麗菜の拳を紙一重でかわすと、思い切り腕を振り上げた。麗菜は頭に攻撃が来ると思い、上段にガードを構えた。しかし誠はフェイントし、振り上げた腕に気をとられて無防備になっている麗菜の腹部を力いっぱい蹴った。

「うっ…」

麗菜はお腹を抱えた。

「どうした、麗菜!」

誠はすぐに次の攻撃を繰り出した。大きく振りかぶると、麗菜の頬に拳をめり込ませた。拳を受けた麗菜は、倒れないように必死で足を踏ん張った。さらに誠はフラつく麗菜の後頭部に踵落とし。麗菜は地面に叩きつけられるように倒れた。

「何やねん、弱いぞ、麗菜!かかってこいよ!」

誠は倒れている麗菜の腹部を目掛けて再び踵を落とした。しかし麗菜は右にサッと転がり、誠の攻撃を避けると、誠の足を素早く蹴った。誠は地面にひざをついた。

「誠、調子に乗るな!」

麗菜は立ち上がると、誠の顔を思い切り蹴った。そして、倒れようとする誠の胸ぐらをつかみ、ひじ打ち。誠は勢いよく倒れた。

「うっ…」

「どうしたんや誠、立たんかい!」

誠は立ち上がろうとするが、フラフラして立ち上がれない。