絶対日記『REWRITE』

「え?俺は人生で一回も交通事故なんかないけど?」

「……え?何やねん、そんな冗談…あれ?」

……そう言えば、麗菜の体に傷一つ無い…何でや?それに、麗菜が嘘言うてるとは思われへんなぁ……

「あ?誠、どうしたんや?」

「あ、ちゃう!夢やった!ゴメンゴメン、いやー、あんまりリアルな夢やったからさぁ…アハハハハ……」

誠は棒読みで言った。

「…誠、ついに病気になったかと思たわ」

「ゴメンゴメン…」

……あれ?なんでや?なんで麗菜が生きてるんや?なんで交通事故に遭ったのに、傷一つないんや?わけわからん…千里ちゃんに聞いてみよ……

そう思い、千里の席に目を向けた。千里はまだ来ていなかった。

「まだ来てないかぁ…まぁ、来たらすぐ聞こう」

……とりあえず、何か知らんけど麗菜が生き返った…これほど嬉しいことは無い!

誠は嬉しさのあまり、自然と笑顔が溢れた。

「あ?誠、何ニヤニヤしとんねん?」

「え?ええ事あったんや」

「何?ええ事って」

「ひ・み・つ」

「気持ち悪いわ、お前…」

そのときキーンコーンカーンコーンとチャイムが鳴り、先生が教室に入って来た。千里の姿はまだ無かった。

……あれ?千里ちゃん、休みかな?

先生は教卓に着いた。

「じゃあ、これから出席をとる。安藤」