「うわぁぁぁ!」

誠は叫び声を上げた。

……なんでや!俺昨日、パチンコなんか行ってない!

誠はすぐに千里の携帯に電話した。

プルルルル……プルルルル……

「もしもし?」

「もしもし、千里ちゃん?!」

「あ、誠君?どうしたの、慌てて?」

「俺昨日、日記にパチンコ行くって書いたのに行ってないねん!それで机の上見たら、勝ったお金があるねん!」

「え、意味がよくわかんないけど…」

「要するに、昨日パチンコ行ってないのに行ったことになってるねん!」

「あ、なんだ、そういうことか。大丈夫だよ。夢、見たでしょ?あれで、やったことになるんだ。そんな心配しなくていいよ。何もならないから。パチンコ行ってないのにお金儲けて、ラッキーじゃん」

「あ、そうなん?よかった……でも、なんかちょっと変な気が……」

「大丈夫、すぐ慣れるって。そんな使い方もあるから、覚えててね。じゃあまた明日ね」

「え、明日?俺、今日学校行くで?」

「あ、今日はちょっと家族で出掛けるから学校休むの」

「あ、そうなんや……」

「まぁ、また明日ね」

「うん」

……よかった、別にどうもならんのや。びっくりした…まぁ、学校行こ…

教室に着くと、いつもの席に座った。まるで退学なんて無かったかのように、周りの反応や先生はごく普通だった。これは千里が日記で退学を取り消してくれたおかげだろう…