……いや、一番最低なのは、俺や。俺は、麗菜を…自分の父を…殺してしまった……

こんな状況で、父のお通夜に顔は出せなかった。誠は気分転換に、外に行くことにした。家を出ると、なんとなく、この日記帳を買った文具店に向かった。文具店に着くと、中へ入った。中は相変わらずボロボロだった。何気なくノート類を見渡していると、ふと日記帳が目に留まった。

……あ、そう言えば、日記帳って俺と千里ちゃんが持ってる二冊だけとちゃうんやなぁ…そりゃあそうか……

誠は同じタイプの日記帳を取り出すと、開いてみた。

……この日記帳も、未来のこと書けるんかな?

そう思い、パラパラとめくってみた。

「あれ?『ルール』が無い……」

誠の日記帳には1ページ目に『ルール』と書いていたが、この日記帳には書いていなかった。

「これは無理ってことなんかな?」

他の日記帳も開いてみたが、どの日記帳にも『ルール』は書かれていなかった。

「どうやら、未来を書ける日記帳は決まってるみたいやなぁ…」

誠は日記帳を閉じて棚に直した。文具店を出ると、駅の近くの河原に行った。大きな石の上に腰を下ろすと、しばらくの間、川の流れをじっと見つめていた。ずっと外にいると、少しずつだが気分が紛れてきた。飽きると家に帰り、誠は日記帳を広げると、ペンをとった。




9月10日 予想日記
学校に行った。友達と喋ったりしてると、だんだん気は紛れていった。




「もう…ずっとくよくよしてても、しゃーないな…学校行こ…」

誠は日記帳を閉じた。