絶対日記『REWRITE』

「すでにお母さんから連絡がいっていると思いますが…お父さんは……」

「嘘や……」

「……」

刑事は言葉を濁した。

「嘘やろ?嘘って言えよ!」

誠は刑事の胸ぐらをつかみ、激しく揺さ振った。それでも刑事は、黙って俯いていた。

「昨日、麗菜が死んだんやぞ!身近な人が何でこんなに連続で死ぬんや!ありえへんやろ!」

つかんだ手を離さず、刑事に怒鳴った。

「誠君…信じられない気持ちはわかります……。とにかく、一緒に来てください」

「……」

「誠君?」

「わかったよ、行くよ!そのかわり、ドッキリとかやったら承知せぇへんからな!」

「わかってます。ちょっと署に行く前に、I病院に行きましょう。君のお母さんが、さっきまでショックで倒れていたんだ」

「……」

誠はパトカーに乗ると、昨日のことのせいか、一瞬自分が捕まったような気分になった。頭が真っ白で何も考えられなかった誠は、観念した殺人犯のようにじっとパトカーに乗っていた。

しばらくするとI病院が見えてきた。

「あの病院です」

病院の玄関にパトカーが止まった。警官に促されてパトカーを降りた誠は、刑事を先頭にエレベータに乗った。地下一階に着くと、刑事が降りた。誠は刑事に続いた。少し真っ直ぐ歩いて廊下の角を曲がると、秋子が疲れきった様子でイスに腰をかけていた。