絶対日記『REWRITE』

プルルルル……プルルルル……

ピッ

「もしもし?」

「もしもし?!誠?!」

秋子からだ。何やら慌てている。

「誠!お母さん、どうしていいのか……」

電話の向こうで泣いている様子だ。

「え、お母さん?どうしたん?」

「誠…誠……」

「お母さん落ち着いて!どうしたん?」

誠は丁寧に聞いた。

「お父さんが……お父さんが、殺された…」

「え……」

誠は秋子の言葉の意味がわからなかった。

「…とにかく、今警察の方が向かってるから、誠も来なさい…」

「え…、何て言うたん?意味わからん……」

「お父さんが…」

「嘘やろ?」

「とにかく、家で待っといて…警察の方が来るから…」

「………」

誠は無言のまま電話を切った。

……え?お父さんが?

誠は現実を受け止められなかった。呆然と立ち尽くしていると、五分程してパトカーが来た。パトカーから黒のスーツを着た刑事と、警官が一人降りてきて玄関に近づいた。二人がインターホンを鳴らす前に、誠は玄関の扉をゆっくりと開けた。

「南原誠君ですか?」

刑事が尋ねた。

「はい……」

誠は凍りついた表情で答えた。