絶対日記『REWRITE』

まさか……




誠は精一杯速く歩き、校舎の外に出た。すると校舎のすぐ近くに、麗菜が倒れていた。右足は本来曲がらない方向にへの字に曲がり、頭からは大量の血が溢れていた。麗菜をひいた車はなかった。どうやら逃げたようだ。

「麗菜……おい麗菜!」

誠は麗菜の前に近寄ると、座り込んだ。

「麗菜…嘘やろ……おい!麗菜!」

誠の目からは涙が溢れた。

「麗菜!麗菜!」

誠は麗菜の頭を抱き抱え、泣きながら何度も叫んだ。しばらくすると誰かが通報したのか、パトカーと救急車が到着した。

「どうしました?!」

救急隊員が誠に聞く。

「麗菜が……麗菜が、車にはねられたんです……」





誠は警察に事情聴取を受けると、警察署を出た。誠は放心状態のまま、家に向かって歩き出した。

「くそ…麗菜…俺のせいや…」

細い路地に差し掛かったとき、フラフラと歩いている誠の肩が通行人にぶつかった。

「痛!どこ見て歩いとんねん?フラフラ歩くな、ボケ」

ぶつかった相手は、不幸にも金髪で口にピアスの、いかにもチンピラのような雰囲気だった。

「あ?お前がどこ見て歩いとんねん?」

いつもなら謝るところだが、誠は反論した。