誠は立ち上がり、田島に手を差し伸べた。田島は誠が二年のとき、クラスで一番仲が良かった友達だ。
「実は、誠…ごめん!お前のサイフ盗ったの…俺やってん……」
「……え?」
誠は田島の言葉が理解できなかった。
「……実は、俺の家借金してて、どうしても今日中にお金が必要で…そんなとき、たまたまお前の教室の窓が開いとって…お前のお金を…ホンマにごめん…でも、もちろん返すつもりやってん……」
「……嘘やろ?あれは麗菜が盗んだって聞いたで?」
「あれは…盗った後になって俺がビビってて、そのときたまたま麗菜に相談したら、助けたるって言われて……せやから返すまで、麗菜が犯人やってことにしてもらっとって…でも…朝お前らがケンカしてるの見た…お前らが仲悪いなんか…見たくないわ…俺が盗った。俺を殴れ……」
「え…ほんなら、麗菜は……」
「……無実や」
その言葉で、誠は全身に鳥肌が立ち上った。
……日記!
誠は走りだした。校舎を出ると自転車にまたがり、家に向かって全力疾走で漕いだ。
「こんなことって…嘘やろ!」
……麗菜…ごめん…ごめん!何の証拠もなくいきなりお前を疑うなんて!やっぱり…理由あったんや…何かおかしいと思た…麗菜が…あのアホで純粋な麗菜が人の、それも俺の金なんか盗るわけないんや!
家に着くとすぐに日記帳を広げた。
「消しゴム!消しゴムどこや!」
「実は、誠…ごめん!お前のサイフ盗ったの…俺やってん……」
「……え?」
誠は田島の言葉が理解できなかった。
「……実は、俺の家借金してて、どうしても今日中にお金が必要で…そんなとき、たまたまお前の教室の窓が開いとって…お前のお金を…ホンマにごめん…でも、もちろん返すつもりやってん……」
「……嘘やろ?あれは麗菜が盗んだって聞いたで?」
「あれは…盗った後になって俺がビビってて、そのときたまたま麗菜に相談したら、助けたるって言われて……せやから返すまで、麗菜が犯人やってことにしてもらっとって…でも…朝お前らがケンカしてるの見た…お前らが仲悪いなんか…見たくないわ…俺が盗った。俺を殴れ……」
「え…ほんなら、麗菜は……」
「……無実や」
その言葉で、誠は全身に鳥肌が立ち上った。
……日記!
誠は走りだした。校舎を出ると自転車にまたがり、家に向かって全力疾走で漕いだ。
「こんなことって…嘘やろ!」
……麗菜…ごめん…ごめん!何の証拠もなくいきなりお前を疑うなんて!やっぱり…理由あったんや…何かおかしいと思た…麗菜が…あのアホで純粋な麗菜が人の、それも俺の金なんか盗るわけないんや!
家に着くとすぐに日記帳を広げた。
「消しゴム!消しゴムどこや!」


