公園。
誠が公園に着くと、そこにはすでに麗菜の姿があった。それは、本物の18歳の麗菜だ。その姿を見て、ドキリとする誠。誠が来た事に気づくと、麗菜が言った。

「おう、誠」

「麗菜…お前の仕業やったんか?」

「何の事や?」

「追加ルールは、ホンマは存在せぇへん…誰かが作った、適当なルールや」

ゆっくりと麗菜に近づく誠。

「なかなか、やるやんけ。なんで、わかった?」

「考えてみれば、おかしい事だらけやった。まず、あのおじいさん。A級の罪を受けて年寄りになったって言うたな?」

「おう」

「じゃあ、なんで服がボロボロやねん?年とっただけのはずやのに、服もボロボロ。なんでか?それは、あのおじいさんがホンマにただのホームレスやからや」

「なるほど」

「それに、しぐさが変やった。まるで、人が変わったような動きや。確かにお前を名乗ってたけど、瞬きの仕方…話すときの、口の動き…どれを取っても、別人や」

「よう見とるなぁ」

「決定的やったんが、飯を食べるときや。お前は、左利き…それやのに、あのおじいさんは右手で箸を持った」

「あのジジイ…左手で食べろって言うたのに……」

「それで、あのおじいさんはお前じゃないのが、確定や」

「……」

「つまり、お前はA級の罪なんか受けてない。そんな罪なんか、無いからや。これで、追加ルールは誰かの手によって作られたものやと言うのが確定や」