絶対日記『REWRITE』

誠は嬉しくて、涙が溢れてきた。

「おいおい、何も泣く事ないやろ」

「ホンマに、今日は金がどうしてもいるんです…ありがとう……」

誠は男へ案内され、パチンコ屋に入った。





午後、8時。

「やった…」

店を出る頃、誠は4万円も勝っていた。

「これで、なんとか麗菜は……」

誠は金をポケットにしまうと、笑顔で麗菜の元へ歩き出した。

「ホンマに、助かった…台をゆずってくれた人の、おかげやな……もし会えたら、恩返しせな」

そのときだった。またしても、誠に不幸が降りかかる。

ドン!

下を向いて歩く誠の頭に、何かが当たった。

「おい」

その声に、ゆっくりと顔を上げる誠。目の前には、ヤクザのような男が立っていた。

「なんですか?」

恐る恐る聞く誠。

「なんですか、やないやろ。人にぶつかっといて」

「あ、すいません…」

そう言って、そそくさとその場を離れようとする誠。

「待てや」

その声に、立ち止まる誠。

「なんですか?」

「それだけか?」

「え?」

「誠意を見せろや、誠意を!」

「え、誠意って…」

その瞬間、誠の胸ぐらをつかみ寄せるヤクザ。その力はものすごく、怯える誠。

「どうしたらいいんですか?」