絶対日記『REWRITE』

「すいません。これは、大事な金なんです」

そう言って、チンピラの間をすり抜けようとする誠。……が、通れない。

「兄ちゃん。痛い目、遭いたいんか?」

その言葉に、だんだんと苛立ちを感じ始める誠。

「ホンマに、悪いけど…これは友達の為に必要な、大事な金なんや」

「このガキ、おちょくってんか?」

誠の胸ぐらを、一人のチンピラがつかんだ。

「おちょくってるんとちゃう。ホンマに、通してくれませんか?」

「通してほしい?」

「はい、お願いします」

「わかった。じゃあさっさと金、出せって。ほんなら、通したるわ」

「……」

「聞いてんか?後五秒以内に出せへんかったら、ボコボコや」

「お前ら…金、何に使う気や?」

誠がボソッと言う。

「お前やと?誰にタメ口聞いとんねん?殺されたいんか?」

胸ぐらをつかんだチンピラが言う。その言葉に、誠の怒りは頂点に達した。

「やってみろ、殺せるもんなら!」

その言葉に、唖然とするチンピラたち。

「殺されへんくせに、簡単に殺すとか言うなや!どうせ金も、遊びに使うだけやろ!」

「このガキ!」

一人のチンピラが、誠の頬を殴った。その衝撃に、バタリと倒れ込む誠。その瞬間、誠が手に持っていた袋が奪われ、チンピラは走って逃げた。誠は頭がクラクラし、すぐに立ち上がれない誠。

「コラ待て、お前ら!返せ!」

叫ぶ誠。

「待てって言われて、待つかボケ!バーカ!」