絶対日記『REWRITE』

そう呟く誠。しかし期待とは裏腹に、その三頭は全て最後尾だった。

「おい、おい…大丈夫なん、これ……」

『さぁ、いよいよラストスパートです』

しかし、いっこうに順位は上がらない。

「おい…」

馬はそのまま、ゴールしてしまった……



順位 5−2−9。



全く違う。

「どういう事や、これ……」

誠は財布の中身を確認した。後、150円しかない。

ミニマムは100円だから、実質後一回しか賭けられない。

「何でや…何でやねん!」

つい声を上げてしまう誠。このままだと、勝つ事ができない。もし日記の通りに勝てなかったら、夢で勝つ事になってしまう。

それは、ルール破り……

「アホか、麗菜と交代する前にルールなんか破ったら……」

焦りを感じる誠。後、一回……

誠は、再びオッズ表を広げた。

「くそ…」

再び、目がいく数字。



一万一倍、10−9−3。

「次、ハズれたら…」

そう思うと、手が震えてきた。

「でも、やるしかない…」

誠はゆっくりとマークシートに書き出した。

「くそ…なんで、当たらんのや…」

このままでは麗菜を助けるどころか、電車に乗ることすらできない。

「あ……」

そのとき、気づいた。

「わかった……アホか、俺は……」