絶対日記『REWRITE』

「悪いな」

誠は電話を切ると、トボトボと家に向かって歩きだした。

「くそ…」

もう、方法がない。家の近くに着いた頃、再び麗菜の姿が目に入る。同じ所に、まだ座っている。

「麗菜…」

呟く誠。

「誠。どこ行ってたんや?」

麗菜が聞く。

「麗菜…ごめん……今日はもう金のあて、無いんや……」

「ええよ。せっかくもらった金、捕られた俺が悪いんやから」

「明日は……明日は、絶対なんとかするから!」

「無理すんなって。俺の事は、もう気にせんでええ」

「麗菜…ごめん……」


……明日は、絶対なんとかするから。


誠は強くそう思いながら家へ帰ると、自分の部屋に入り日記帳を広げた。

「麗菜をあんな目に合わせやがって…お前に償ってもらうぞ」

誠は日記帳にそう呟くと、ペンを取った。

「さて…何て書こう?100万円拾うでええか、とりあえず」

誠はペン先を日記帳に当てた。

「いや…でも…拾う…?」

その行為に、少し不安になる誠。物事は、一つしか書けない。したがって、細かい状況設定ができるかどうかわからない。

「もし、その金の持ち主が現れたら…」

それが、ニセ札だったら……そんな事を思うと、怖かった。

「もっと確実に、金が入るもの…」

パチンコは、ダメだ。時間がかかり、尚且つそこまで大きく勝てない。そのとき、思いつく。