絶対日記『REWRITE』

それは、パチンコ屋だった。

「くそ…」

誠はパチンコ屋に着くと、中に入った。キョロキョロと台を探す誠。


……増やすしかない。あのまま、麗菜を野宿させたくない。

誠は、台を選ぶと、早速打ち出した。

「リーチ」

台から、リーチの音が鳴る。

「頼む…きてくれ……きてくれ!もう二度と、当たらんでええから!今だけ!頼む!」

しかし、あっさりと外れる。一気に二千円が無くなった。そのときだった。

「リーチ」

最後の一回転で再び、リーチがかかる。

「頼む……頼む!」

両手を合わせ、目をつぶって祈る誠。その数秒後だった。

「大当たりー!」

台からそう声がする。

「やった…」

安堵の息を漏らす、誠。これで、麗菜の野宿を回避できる。しかし、それはすぐに絶望に変わった。

「え……」

大当たりしたのは誠の台ではなく、隣の台だった。

「嘘やろ…」

ゆっくりと席を立つ誠。店を出ると、トボトボと歩きだした。

「何でや…何で、出ぇへんのや!」

怒鳴り声を上げる誠。しかし、二千円で出る確率は極めて低い。そんなことは、わかっていた。

「なんちゅー、アホな事を…これやったら、せめて二千円麗菜にあげたらよかった…」