「ルール破り、つまり物理的にできへん事はC級以上の罪になるって、友美ちゃんが言ってた。ホンマは日記でお前の罪を消そうと思たんやけど、それやと俺が死んでしまうからな。やから、ルールを変える事にした。それやったら、A級の罪や。死ぬより、マシかなぁ思たんやけど…結構、辛いな」

「アホ!お前、これからどうすんねん!」

誠が怒鳴る。

「どうするも何も…」

「なんで、作戦言わんかったんや!」

「アホ。お前に言ったらこんな作戦、力ずくで却下されるやろ」

麗菜は笑顔で答える。

「俺がお前にそんな事させてまで、生きたいと考えてるとでも思たか!」

「そうは思わんかった。でも、目の前で親友が死にかけてるんや。助けるのが、当たり前やろ」

「アホか!お前はどうなるねん!」

「どうにかなるやろ」

「お前なぁ…」

言葉が出なくなってきた。そのとき、一つの考えが生まれる。




……そうや。麗菜を、日記の力で元に戻せばいい。ルール破りになるけど、死ぬのは俺や。



そう思った誠は、急いでペンを手に取り、日記帳を開いた。


「何してんねん、誠?」

「うるさい!黙っとけ!」

「もしかして、日記で俺を元に戻そう思てるんちゃうやろな?」

「…そうや!悪いか!元々これは俺の問題や、お前が犠牲になる必要ない!」

「…無駄や」

麗菜の言葉に、誠のペンが止まる。