9月18日 予想日記
7番目のルール、つまり、『これまでにC級以上の罪を犯している者は後2日、B級以上なら後1日で死亡する。』というルールを、消す。




「誠。日記の書き方、合ってるよな?なんせ、始めて書いた日記やからな」

誠は、カバンに入っていた自分の日記帳を慌てて広げた。

「あ……」

確かに、そのルールは消えていた。

「成功や」

微笑む麗菜。涙が溢れる誠。そのとき、目に入る一つのルール。



『日記帳の力でルールを変えようとすれば、A級罰を受ける。』



つまり、麗菜のこの姿は……


「麗菜!お前なぁ!」

勢いよく麗菜の胸ぐらをつかむ誠。

「痛いわ。放せ、ボケ。年寄りやぞ、労わらんかい」

「何やっとんじゃ、ボケ!」

「こうするしか、なかったんや」

「A級の罪って何や!何された!」

麗菜を激しく揺さ振る誠。

「うるさいな、怒鳴るなや。見ての、通りや」

誠は麗菜の全身をあらためて見た。どう見ても、おじいさんだ。

「つまり…年を、とった」

笑って言う麗菜。

「そうやな…だいたい、5、60年後ってとこやな。朝起きたら、こうなってた」

「こうなってたって、お前……」

溢れた涙が止まらない誠。

「朝からおふくろと親父に怒鳴られてな。『お前、誰や!警察呼ぶぞ!』って。A級の罪って、こういう事やな。おじいさんにされる。いきなりおじいさんにされた俺は、もう親すら俺が誰かわかれへん。こんな体じゃ仕事も、できへん。つまり、後はホームレスとして人生を終えるだけ…ある意味、死ぬより辛いな」

足元に置いてある缶ジュースを飲み、麗菜は言った。