絶対日記『REWRITE』

「でも千里ちゃんが、ベンチで喋ってる時、目の前で消えた…それは、どうなんや?物理的に、不可能やないんか?」

誠が聞く。

「簡単な事。日記を自由に操れるように見せる為の、パフォーマンス。テレビでも、手品で人が突然消えてるやん。できへん範囲じゃない。バンって音がしたやろ?」

「うん」

「多分、地面でも割れた音やろう。三富千里は勢いよく地面の中に落ちて、すぐに地面がキレイに閉じた」

「多分?」

「日記が勝手にした仕掛けは、わからん。でも、例えそんなあり得へん仕掛けやとしても、物理的に絶対に起こらん事ではないやろ?」

そう言わわれればそうだが…友美の解釈は、少し無理やりな感じがした。

「……そんな不思議そうな顔せんといて。今言った仕掛けは、アクマで例え。その辺の仕掛けはあんまりわからんけど…とにかく、人が消えたり…もしかしたら、会話を聞く事だってなんとかしたら出来るかもしれへん。でも、人が生き返ったり、時間が戻ったりするのは、絶対に無理。やろうとすれば、ペナルティーが溜まる」

「ペナルティー?」

友美の言葉に疑問を持つ二人。

「そう。物理的にできへん事をしようとすれば、ペナルティーが溜まる。例えば日記に書いた行動を、実行せんかったりしたら溜まっていく」

そのとき、誠は前にパチンコに夢で行った事を思い出した。

「このペナルティーは、日記を持つ全員の問題。誰かが溜めると、その上にさらに誰かが溜める……皆で、雪だるまを作ってる感じ」

「……」

「そして雪だるまが完成したら、追加ルールが発動する」