「何や…これ……」

日記帳のルールの欄の下半分に、文字が書いてある。誠は、そこに書かれた文字をゆっくりと読んだ。




『追加ルール、発動。

6、日記にできない範囲を書くと、A級罰を受ける。

7、これまでにC級以上の罪を犯している者は後2日、B級以上なら後1日で死亡する。

8、日記帳の力でルールを変えようとすれば、A級罰を受ける。

9、1日、一つの事柄のみ、記入できる。』

そして、最後のルールに、誠の表情が消える。




『10、時間は戻したり、進めたりすることができない。』




「誠……誠!」

落とした携帯電話から、麗菜の微かな声が聞こえる。誠は慌てて携帯電話を拾うと、受話器を耳に当てた。

「麗菜!何や、これ!」

誠の声は、震えていた。

「わからん!どうすんねん!」

麗菜も、慌てている。

「どうするも、こうするも…」

『10』のルールの意味…それはつまり、千里を生き返らせる事ができない……

誠は涙目になった。

「なんでやねん!誰や!誰の仕業や!」

叫ぶ誠。そのとき、ふと秋子が気になった。これ以上、心配させたくはない。誠は、冷静に言った。

「どういう事や、これ…」

「わからんけど…誠、この10のルールって……」

「わかってる…千里ちゃんを生き返されへん……」

「他に、方法は無いんか?」