「……」

黙って聞く誠。だんだん、恥ずかしくなってきた。誠の沈黙している様子を見て、麗菜も黙って聞く。

「このことに気づいたのは、私が日記を始めた頃。私は、一人の男と付き合ってたんや」

「……」

「ある日、彼が日記帳を持って家に遊びにきた。彼がトイレに発ったとき、私は彼の日記帳を見た」

その時点で、その先の内容が誠にはわかった。

「何て書いてあったと思う?!『友美が、俺の女になる』って書いてたんやで?日記で、本来は好きになるかわかような奴と、付き合わされとったんで!」

感情的になり、涙目になる友美。

「私は、すぐに彼を日記で殺した。それから、寄ってきた全ての男を日記で殺した」

「……」

「男って、なんでそうなるん?なんで日記みたいな物手に入れたら、そうなるん!」

誠は、何も言い返せなかった。

「当たり前やろ?人の感情、勝手に弄んで。これぐらいの仕打ち、受けて当然やろ!」


バン!



「え?」

友美の頬を、麗菜が叩いた。

「何するんよ!」

「アホか!」

そう叫ぶ麗菜。

「俺も正直、モテるんや。いっぱい、女の子が寄ってくる」

「だから、何?」

「その中にはやっぱ好きになる女の子とかもおって、何人かと付き合ったりもした。でも、俺は嫌な気はせぇへんな。それが、例え日記の力で寄ってきてるとしてもや」

「は?あんたは実際そんなんやられた事ないから、そんな事が言えるねん」