「……南原君?どうしたんですか?」

「麗菜!抑えろ!」

誠が叫ぶと同時に、麗菜はサッと友美の右腕を抑え壁に叩きつけた。

「痛っ……何するんですか?!」

パン!

その声と同時に、誠は友美の頬にビンタした。

「お前が、スリーやって言うことはわかっとんねん…」

震える声で誠が言う。

「女の子にこれ以上、暴力はしたくない。日記帳を出せ」

「ひどい…なんで、こんな事……」

友美は、泣き出してしまった。

「おい、誠!女やからって、手加減すんな!狂人やぞ!」

そのときだった。麗菜が叫ぶと同時に、友美は緩んだ麗菜の手を振りほどき、走りだした。

「あっ!」

慌てて、後を追う麗菜。そのときだった。

「麗菜!待て!」

誠が言った。足元に、紙切れが二枚落ちているのに気づく。

「何や、それ……」

麗菜は追うのをやめると、誠に近寄って言う。誠は、一枚目の紙切れの文字に目を通した。

「え……」

その文字に、唖然とする。全身に、鳥肌が走る。

『残念でした、南原誠君。大原友美は、君の言うスリーじゃない。もう一枚の紙切れは、私の日記帳の切れ端だ。読むといい。』

慌てて、もう一枚を読む誠。

『9月15日 予想日記
大原友美は、学校に着くと校門で、南原誠に「おはよう」と挨拶した。』