「そんな……」

絶望を感じる誠。そのときだった。

「おはよう」

誠の背後から、声がする。その言葉に、今までに感じたことのない鳥肌が立った。



成功や……



誠は、ゆっくりと振り返った。

「……え?」

その人物に、唖然とした。そこには、友美の姿があったのだ。

「南原君、おはようございます」

「友美…ちゃん……?」

笑顔で立っている友美。

……え?友美ちゃんが……スリー?

「…どうしたんですか?」

「いや……」

「南原君、全然一緒に帰ってくれないですよね」

「ごめん、ごめん……」

もはや、会話どころではなかった。

……え?え?!

そのとき、麗菜が校門から入ってきた。

「おっす、誠。…うん?」

麗菜が、友美に気づく。

「なんや、誠?こんな非常事態に、こんな可愛い娘ひっかけて」

ニヤニヤしながら麗菜が言う。その笑顔は、作り笑いだった。無理にテンションを上げている様子だ。無理もない。今日は、スリーと決着をつける日だ。

「こんにちは。私、大原友美です」

麗菜に向かって挨拶する友美。

「俺は、麗菜。こいつの、親友や」

「友美ちゃん」

突然、誠が真剣な面もちで言う。

「はい?」

「今日、一緒に帰れる?校門で、待ってるから」