「でも平気。悠くんや諒くんの方が、相当疲れてるし」


 それは、彩も否定出来なかった。
 昨日の戦闘では諒は、あのアヤカシの攻撃をまともに食らっている。
 それに悠も、美樹の意識を呼び戻すのに相当なパワーを使っている筈だ。
 2人とも口には出さず、普段と同じように振る舞ってはいるが・・・。


「彩は、大丈夫?」


 こっちを見て心配そうに言う美樹に、彩は笑顔を向けた。
 今、彩が着ているタートルネックのシャツの首もとには、美樹には見えないが、昨日のアヤカシに掴まれた時に出来た痣が、生々しく残っていた。


「うん、大丈夫だよ」


 そう言って笑う彩。