「何呆けてんだよ。まだ終わっちゃいねぇ」


 諒は彩を抱き起こしながら、『free-time』の方に視線を送る。
 喫茶店に群がるように、低級なアヤカシが集まっていた。
 だが何故か、悠の防御壁が見えない。
 あれでは、中にいる美樹も友香も危険だ。


「お前が雑魚、ちゃんと始末しねぇから・・・」
「諒がやられてるからだろ!」
「悪かったな。行くぞ」


 諒は店の方へ走り出す。


「ぜんっぜん悪びれてないよね・・・」


 ため息をついて、彩も店に戻る。