「消えろ」


 諒は光剣を振り下ろす。
 その瞬間、アヤカシの姿は消えた。


「やっつけた・・・の?」


 ようやく普通に呼吸が出来るようになり、彩は諒に聞いた。
 諒は首を横に振る。


「いや。直前で・・・消えた」
「諒が消えろって言ったから・・・」
「んなわけあるか! 美樹の意識が戻ったんだよ!!」


 諒は光剣をしまい、徐々に実体化を取り戻していく。
 そんな様子を見て、彩は諒がそうまでもしなければ勝てない相手が現れた事に、愕然とした。