「キリがねぇな・・・」


 彩の隣に着地して、諒は呟いた。
 だんだん息が上がって来ている彩に視線を送る。


「なぁ、諒」
「何だ?」
「追い込み漁、やろう」
「・・・・・・は???」


 また突拍子もない事を言い出した彩に、諒は思わず耳を疑う。


「なんかさ、大量のアヤカシ見てたら、思い付いた。アタシが一カ所にこいつら集めて、諒が一気に片付ける作戦」


 ・・・まぁ、確かに合理的ではあるが。
 言い出したら聞かないのは、よく分かっている。


「・・・好きにしろ」
「分かった!」


 彩が動き、アヤカシ達を誘い込む。
 自らもアヤカシ達を引き寄せながら、諒は彩の動きを見守る。