「どうしてそっとしておいてくれないのかねぇっ!?」


 間髪入れずに、その場から飛び退いて。
 アヤカシの攻撃を避ける。
 ちらりと視界に入った『free-time』は、薄く青い膜のようなもので覆われていて。
 今は、悠のフォローはない。
 飛び退いた先で、手近にいたアヤカシを一掃して。


「なんかさ、これだけいたら気配とか、関係ないかもね。何処に衝撃波打っても、誰かに当たる?」
「バカな事言ってねェで動け」


 ハイハイ、と彩は再び跳躍する。
 この程度のアヤカシなら、彩の防御力でも、少しはその攻撃を凌げる。
 諒の攻撃力には到底敵わないが、今のところは無傷で戦っていられる。
 だけど、アヤカシの数は一向に減っていく様子がない。
 それどころか、尚更増える一方で。