Act.5






 女子高から帰って来てから、だんだんと雲行きは怪しくなって。
 まるで台風のように風が吹き荒れていた。
 悠にもたれかかりキツく目を閉じながら、美樹は不安でいっぱいだった。
 嵐は、これから始まる戦闘の激しさを暗示しているようで。


「悠くん・・・」


 美樹は無意識に、悠のセーターの袖をぎゅっと掴んでいた。


「ごめん、美樹ちゃん」


 そう言って、悠はそっと美樹の肩に手を置いてその身体を自分から離した。


「分かってるみたいだね、美樹ちゃん。お客さんが来たよ」
「・・・・・・」


 そう言う悠を、心配そうに見つめる美樹。