「じゃあどうして、結果的に美樹を助けたりしたんだ?」


 そう言っておきながら、この男は美樹の意識を引っ張り上げるのを手伝った。
 その行動の意味が、彩にはどうしても分からない。
 濡れた髪の毛をかきあげて、男は彩を見つめ。


「それはな・・・」


 彩は、ゴクリと固唾を飲んだ。
 この返事次第では、この男が敵なのか味方なのかがはっきりする。


「あの時美樹を見たらさぁ、寝顔が可愛かったからさぁ!」
「・・・は?」


 想像だにしなかった答えに、彩は固まっている。