川から上がると、彩はゴツゴツとした石だらけの川辺に腰を下ろして、まだ水に浸かったままの男を見つめた。


「1つ、聞いていい?」
「ん?」
「この前美樹がここで力を発揮しかけた時、殺気丸出しでここに来たのは、あんただな?」


 彩にはもう、その答えは分かっていた。
 問い掛けに、男はニヤリと笑う。


「ご名答」
「どうしてなんだよ」


 聞き返す。
 本当に聞きたかったのは、ここなのだ。