次の日の朝。悠が朝食の準備をしていると、一番に起きてきたのは美樹だった。


「おはよう悠くん!」


 その声は明るい。
 悠はキッチンで振り向いて、笑顔を作った。


「おはよう美樹ちゃん、具合はどう?」
「熱は完璧に下がったみたい。不思議なくらい、調子いいよ。ありがと、悠くん」


 元気にガッツポーズを作るあたり、まんざら無理している訳ではなさそうだ。


「良かった。でもまだ無理はしないでね。今日は定休日なんだし、ちゃんと身体を休めなきゃね」
「うん、わかってる。でね、彩がわたしのベッドに突っ伏して寝てるんだけど?」
「あぁ、美樹ちゃんの熱がどうしても心配だから看病するって、張り切ってたんだけど」