「でもいい事だよ。物にも想いは宿るからね、そういう思い入れの強い物は特に、持ち主を守ってくれるっていうし」


 諒の隣で食器を片付けていた悠もそう言って。
 美樹は早速、ペンダントを首に掛ける。


「うん、似合ってる」


 満足そうに、彩は言った。
 美樹は大体いつも暖色系の洋服を着ているので、桜貝のピンクがよく似合う。


「嬉しい・・・ありがとう、彩」


 ペンダントを見つめながら、美樹は言った。


「どういたしまして」


 彩はそう言って笑う。
 そして四人は暇な時間を見計らって遅い昼食を食べ、これから来る夕方の女子高生ラッシュに備える。