豪華な夕食を終えて、2人は部屋に戻って寛いでいた。
 庭の木々が、ざわざわと風に煽られて音を立てている。
 昨日とは違い、今夜は少し荒れそうだった。
 寒くはなかったが、すきま風が行灯の中に灯るロウソクの炎を揺らしている。


「夕食も旨かったね」


 腹一杯食べたお腹をさすりながら、彩は満足そうに言った。


「そうね・・・」


 美樹は、目を擦りながら返事をする。


「眠かったら先に寝ていいんだよ、美樹。あたしはまだ眠くないから」
「うん、そうさせて貰おうかな」


 美樹は、ごろんと布団に横になった。
 余程疲れていたのか、直ぐに寝息を立て始める。