(じゃあ、わたしは・・・?)


 美樹は持ってきたパジャマに着替えて、彩の隣の布団に横になる。
 ここに来ても、美樹は何も変わらない。
 半分はアヤカシの筈なのに、何も感じない。
 アヤカシである美樹の母親はずっと、その身を削ってまで美樹の力を封印して、普通の人間として育ててきた。
 おかげで今までずっと、普通の生活を送ってくる事が出来た。
 友達もたくさんいたし、恋愛だって何度か経験している。
 そんな風に育ててくれた両親には、本当に感謝している。
 美樹は、身体を横に向けて、彩の寝顔を見つめた。
 無防備に、寝息を立てている彩。