あたしは扉を閉め、てくてくと
高尾先輩のいる教卓に近寄った。
すると、高尾先輩が、
ふっと頬を緩めた。
「お前…犬みてぇ。」
『…嬉しくないですっ。』
言葉とは裏腹に、あたしは少し
嬉しかった。
高尾先輩は無表情で、氷のような
冷たい瞳をしていたのに、
人間らしい表情が見られたから。
あたしがじっと見ていると、
クスクスとまだ笑っていた先輩は
黙った。
「なんだよ?」
『あ…いや、別にっ。』
かっこよかったので見惚れてました!
…なんて言わないもんね。
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