礼をしたあと、緒方先生は
回る椅子にすわり、
あたし達も、その向かいの
長椅子にすわらせた。

「さて、今日は、

あ、そうね。魔生徒についてだわ。」

「「ませいと??」」

なんじゃそりゃ。

あたし達2人、頭に❓が
浮かんでいた。

「クスッ。」

そんな2人を見てか、
緒方は吹き出した。

(笑った顔が綺麗だなぁ。)
みなみは不意に思った。

緒方は髪を耳の下あたりで
切り、ふんわりとボブにしていた。

鼻は高く、目は二重で大きい。
唇は薄く、桃色に輝いている。

まさに美人だった。


「魔生徒”っていのはね。

悪魔に魔法をかけられた生徒の事。

まぁ、簡単にいうと、被害者ね。」

「なるほど。それで、魔生徒を見つけるには?」

「魔生徒はね、

保健室に集まるわ。」

「へぇー。どうしてなんですか?」

「あたしも魔法をもっててね、

そういう魔法をかけてるのよ。

まぁ、いつかくわしく

教えてあげるわよ。」

(いつか…か。)

それは、あたし達が緒方先生と
長く付き合う事を表していた。

なんだか、
嬉しいのはあたしだけ?

「みなみさん。」

「はっ?」