「…え?」



「頼む。みなみと話したとき、
わかったんだ。
みなみはただ者じゃない。
魔法使いになるべき人だって。」


「えっ、でも、待って、
魔法使いって、なにをするの?」

信じきれていない自分に、
さらに理解不能な言葉が
次々降りかかってくる。


「簡単にいうと、学校の
悪魔退治みたいなものだ。


俺は運良く魔法使いが変わる年の今年に入学して、

先輩に任されたんだ。

みなみも、今年入った生徒だし、

条件はみたしている。」

「うん…」

とりあえず、
言葉に耳を傾ける。


「実は今年、
男の魔法使いは俺に決まったが、
女の子が決まってなかったんだ。
先輩に魔法使い選びを頼まれてさ。
しっくりくる人がいなくて
困ってたんだよ。
みなみ、頼む。
魔法使いはトクだぜ?」

遼君は、あたしを説得する。

「…考えさせて。」

まだ信じられない…
騙されているんじゃない?
でも、魔法使いの部屋や
歴史は存在するよ?



このとき、あたしは
疑う気持ちが消えなかった。






遼君は、
返事はいつでもいいから、
と、優しく返してくれた。

「じゃあね、遼君。」

「おぉ。あっ、待って。