雲を抜けると、濃紺の空が見えた。
星空が2人を包む。
城が近づいたてきた。
近づくにつれて空気がよどんでいく。
城の眼の前まで行くと、城の周りを黒い煙が覆い、2人はその煙に押し出されるように後退した。
ほうきが進もうとするが煙に押し出され、2人はほうきにしがみつくのが精一杯だった。
「この煙、抜けられないの?」
みなみは息を整えながら叫ぶ。
「これがドラゴンが言ってた結界だ。
何か魔法が必要なのかもしれない」
その時、みなみの胸元が光った。
「わっ、何?」
みなみが首にかけていたネックレス。
学園長にクリスマスパーティーでもらった金色の鍵だ。鍵は光を放ち、磁石のように城の方へ惹きつけられていく。
「その鍵は魔法の鍵だったのか。
きっと学園長の力が込められてる」
みなみも鍵と一緒に煙の中に吸い込まれていく。
鍵が煙を割いて、結界は破られた。
遼もその通り道を通り抜けられ、2人は城の門へと進む。
「なんだこれは…」
城は首が痛くなるほど見上げても先端は見えない。
黒い壁と黒い空気に覆われた城は不気味で、中に入ることが躊躇われた。
城の中も闇に包まれ、何があるかさっぱり分からない。
「これ、入っちゃって大丈夫?」
「入るしかない!この中にここを支配してる悪魔がいるはずだ。その悪魔を倒せば…俺たちはレベル5になれる」
遼が言うと、暗闇の中を進んだ。
みなみもその後ろにつき中へ入ると、
門がひとりでに閉まり、2人を閉じ込めた



