「まぁ、昨日は2人とも頑張ってくれたみたいだし、レベル2に昇格ね。」

「おっす。」

『あッ…はい…』

ダメだ…人の手柄を自分のものみたいにして…
ほんとうはあたし、何もしてない。佐野君が居なかったら、あたしは…

ただの〈役立たず〉。

レベルなんて…あげてもらう権利ないよ。佐野君に申し訳ないもの。

だけど…やっぱり弱いあたしは、
真実は打ち明けられなかった。

あたしは、偽りの称号を頂いて
しまった。

本当、情けない。


これじゃあたし、いじめられて当然
じゃない。

今更自分の愚かさに気付くなんて。

あたしは、逃げてばっかりだ。

いじめから逃げて…

真実から逃げて…

あたしは、魔法使いに向いているのか?

そんな現実からも、あたしは、

逃げてしまうんだ…