「あら、あなた達、まだ探して いたの?」 『真木先輩!』 そこに現れたのは、胸に 本を抱えた真木先輩だった。 そのすぐ後、遼君も扉の前にやって来て、その人物を確認した。 「すみません、ずっと資料を探して いたんですが、なかなかみつからなくて。」 と、遼君が首の後ろに片手を置いた。 「もう、それなら早く私に 言いなさいよ!」 そう、若干嬉しそうな真木先輩が、 “こっち”と、あたしと遼君を図書室の 外へつれ出した。