あぁ、そうだ。

みなみが好きなんだ。

「好きだから、奪ってやりたいと

思う。

だれにも取られたくない

と思う。


それが、

好きってことじゃないかな?」

昨日、俺たちの話を盗みぎきしていた

緒方先生は、保健室を出ようとした俺に

そういった。

そうか、俺は気づかないふりをして

いたのかもしれない。

みなみを好きになったら、

俺たちがどうなるか、

わからない。

そんなくだらない不安が俺を

縛りつけていたんだ。

もう“フリ”をするのはやめよう。

本当の自分の心に従って、

行動すればいいんだ。