急いで家を飛び出すと
「おい、俺様をこんなに待たせといて自分先に行く気か?」
後ろから不機嫌そうな声が聞こえてきた。
顔を見なくても誰の声だがわかる。
「別に誰も待っといてなんて言ってないし。アンタが勝手に待ってたんでしょ?」
そう言って歩き出そうとすると
「グダグダとうるせぇ女。後ろ乗れよ、遅刻したいのか?」
そう言って湊が急に私の手首をつかんだ
「乗れってあんたの自転の後ろ?絶対やだ。」
私がそう言うと
「ふーん。じゃあお前だけ遅刻だな。」
湊は嫌みたらしくそう言って
パッと掴んでいた手を離した。

