わたしから、プロポーズ



「全面協力!?それって、凄い事じゃないですか」

遥は目を輝かせているけれど、私にもその理由は分かる。

いわゆる協賛企業になるわけで、それは会社にとってもいい宣伝になる上、利益もかなり生じるからだ。

それならば、広田さんがこのハイテンションでも仕方ない。

瞬爾の今朝の仕事が、そんなに大事な仕事だったとは。

変な勘繰りを入れた自分が情けない。

「で、取引先と交渉を取り付けたのが伊藤課長なんだからな。凄いだろ?」

「じゃあ、何で広田さんがそんなに喜んでるんですか?」

口を尖らせる遥に、広田さんは苦笑いを浮かべる。

「同行させて貰ったんだ。まるで自分がやったみたいに嬉しくてさ」

そう言うと、それまで黙っていた瞬爾が口を開いたのだった。

「新規開拓をしたのは広田だから。俺だけの手柄じゃないよ。早く戻ろう。部長に報告しないと」

素っ気なくそう言うと、広田さんも慌てて後を追う。

だけど、引き返してきて私たちに言ったのだった。

「二課も頑張れよ。来島さんの肩にかかってるんだからさ」

「何で、私なんですか?」

「だって坂下さんは、もうすぐ伊藤課長が連れ去っちゃうだろ?」

そう言い残し、広田さんは戻って行ったのだった。