わたしから、プロポーズ



普段と変わらず落ち着いた様子の瞬爾の隣には、一課の営業マンもいる。

私たちより1年先輩の広田さんだ。

広田さんは一課の期待の星で、仕事の出来る爽やかな人だった。

その広田さんは、私たちに気付くなり立ち止まると、興奮気味に声をかけてきた。

「二課のみんなには悪いけど、今日一課は大仕事を手に入れてきたよ」

普段から、課の垣根を越えて声をかけてくる人だけれど、今日はいつもよりテンションが高い。

「何ですか?大仕事って」

こういう時、返事を返すのは遥の役目で、今もしっかり対応してくれている。

「それがね、課長が決めてくれたんだけど、一課の取引先には、F企画っていう会社があるって知ってるだろ?」

「はい。主に、ファッションショーを開催する会社ですよね?」

遥の言葉に、私も思い出した。

確か、10代20代向けのファッションショーを開く会社だ。

私も見に行った事がある。

「そこと、うちがタイアップして次回のファッションショーを開く事になったんだよ!」

「はあ…」

広田さんのハイテンションに、私も遥も置いてきぼりだ。

そんな私たちに業を煮やした広田さんは、さらに説明をしてくれたのだった。

「分かってないな二人とも。ファッションショーには、大スクリーンが付き物だろ?そのスクリーンを、うちのメーカーが全面協力するんだよ」