思わぬ邪魔が入り、里茉との僅かな時間は終わってしまった。

オレはガッカリしながら鞄を持ち、帰ろうとした。

「名取、帰るの?」

真奈が声をかけてきた。

「ああ、じゃあな」

「一緒に…帰らない?話しがあるの」

そう言われて驚いてオレは振り返り、真奈の顔を見た。

一緒に帰ろうだって?

オレに話しがあるって?

さっきまで、オレと言い合いしてたテンションはどこにいったのか…思いがけず真面目な顔をしていた真奈に

ちょっとだけドキンとしながら

どんな話しをされるのか考えながら

オレは答えた。

「い、いいけど…」

これは別に浮気ってワケじゃねぇよ?

話しって言ったって…どんな内容かもわからない。

いや…オレの考えてる通りの話しをされるなら
オレはちゃんと真剣に答えるさ!

だって彼女の妹だぜ?

ってゆーか、彼女以外考えられないから!

そう自分に言い聞かせながらも、動揺してるオレ。

オレや里茉の家は離れていたが、方向は同じだった。

よく晴れた夕方。
赤い夕日の色に、空の青さが混じりあい、雲が紫に染まっていた。

オレが動揺を紛らす為に空を仰ぐと

それまで黙っていた真奈が口を開いた。