「俊彦も幸せになって。
私はあなたの雨にしかならなかったけど、きっとその子はあなたを照らしてくれるんでしょう?」



「ああ、おせっかいで馬鹿みたいに懐でかい女だから。台風一過みたいな、からっとしたやつ」



そう言って笑った彼に、私も笑った。



「明日は晴れだって」



「ああ、じゃあもう傘も要らないんだな」



「うん、もう要らない」



雨も先ほどよりは少しだけ弱くなっていた。
帰ろう、雨が弱いうちに。



「明日からはずっと、お天気が続けばいいね」



「続くさ、きっと」



そう言って、ふたりで窓の外を見上げた。



end.