…澪…










『出席確認するぞー

隣付近の席で居ない人がいるヤツは言えー』





『せんせーいミオが居ないでーす』




『松原は熱を出したそうだ。多分今日一日は来れそうにないからな

他に居ないかー?

じゃあ今日は特別日課で………』







『杉山』


『なに?鈴木くん』



『お前澪と仲いいよな

家知ってるか?』












……………











『はぁ………ヒマ……』







もう時刻はお昼過ぎ




熱だってすっかり冷めて今日の朝までぶっ通しで寝てたせいで眠くないしやることがない

ばあばはバイトでいないし…



ピンポーン♪





『もー誰?セールスマン?』
こっちは病み上がりだっつーのに…





玄関のドアを開けるとそこには

『ヨ‼』といって着くずした制服姿の瞬くんがいた


『体調大丈夫か?ほら、コンビニでヨーグルト買ってきた』


『あっそっか今日特別日課…』

『そーゆーこと

俺ちょっとノド渇いたからお茶くれねぇ?』



『どーぞ上がって』
と言い、瞬くんを居間に通す



『おじさんと会ったのか?』



『お…?…じ……さん…

あぁ!おじさん!翼さん……ね…』

すっかり忘れてた、なんであんなウソ言っちゃったんだろ


『翼さんには昨日会ってないけど?どうしたの?』



『…なんでも』


なにか悩むような顔をしてふっと顔を切り替え、

『プリント』

『あ、ありがと』




沈黙の間………


耐えきれずテレビをつけると、丁度ニュースがやっていた

“今日の午後は雨が降る模様です”

ん?雨?

窓の外をみるとしとしとと雨が土に落ちている





『洗濯物!!!!』

急いで外に出て洗濯物を取り込んだ


呆然と見ていた瞬くんは笑って
『これなら明日は来れるよな』
なんて言って

『じゃあ』と言い、立ち上がってあっという間に家を出てしまった
『…え?待って‼︎』

玄関の先に瞬くんはこちらに振り返っていた


『待ってるから、来い』
真っ直ぐとアタシを見る瞬くんの目は
アタシを吸い込ませるような感じがした


『い…いき、ます…行くよ、明日学校…』

なんで緊張したかわかんないけど、上手く喋れなかった

そんなアタシを見て瞬くんは
『あー‼︎もうホントお前ばかな‼︎見てられん‼︎』

わしゃわしゃとアタシの頭を両手で覆った

『ちょっと!髪の毛がぁぁぁ』

『じゃーな‼︎』



ホントに男の子ってわからん……



でも




学校に行く気になれたよ、ありがとう……