…澪…







朝早く美術室へと足を向ける





今度は人物画かなぁ…






先生でも描いちゃおっか?笑








『おい』







後ろからの声で驚き


振り返る







『陣』





『久しぶり~』





『ん…』






陣とは塾も一緒だけどやっぱ個別だから喋る時があまりない





まともに喋れるのは学校だけ



といっても学校でもあまり喋ってないけどね





『どーしたの?
珍しいじゃん』






『いや、翼とどーなのかなって…』






『なんか、良い感じかも♪
昨日なんてデートしちゃったし笑』








陣は声にもならないような顔をして驚いている






『おいもうそんなとこまでいってんのかよ!!!!!!』







『いや、昨日先生が丁度届け物があったらしくてさ…』







『昨日翼学校に来たんだろ?

俺知らなかったけど結構学校でウワサになってるぞ』








『うそ…?』









どうしよう…



もしばれたら…







『まぁ誰も生徒と教師なんて思わねーよ

叔父と姪位に思うんじゃないの?』








その言葉を聞いて内心ホッとしたが少し心配でもあった










『そぉ、だよね…なら良いんだけど…


てか、陣はどーなの?』





『は?』






『好きな娘!いないの?』






『いないってわけじゃねーよ』








『誰⁈』







『三組の市川あやめ…』









え?



『それって…』








陣は頷いた





『鈴木と付き合ってるだろ?

だから今んとこは優しく見守ってるよ』










『……アタシ…
出来るだけ協力するよ…
陣、頑張ってネ‼』







『さんきゅー笑
じゃあ俺、朝練抜け出して来たから行くわ
じゃあな~』










…そっか……陣あやめちゃんが好きなんだ……



難しいな~…






……………




『別れたぁ⁈』





大きな声を出したと思ったが、周りの人達の声などで打ち消されたみたい





『あぁ、だって性格悪いっぽいし』




だからって………




『それに、俺好きなヤツいなかったし、元々』




『女好き?』




『うーん…わからん…
まぁそーしといていーよ笑』




じゃあそーなんじゃん



『まぁ、もっと良い人がいるよ』



『そーだよな
今はまだ俺はいーや笑』






とりあえず陣はライバルがいなくなって良い…のかな?





性格悪いって…






そうは思えないけど…












はーぁ、…






アタシは翼さんとがいーよ…




今日、来てくれるかなぁ…










……………












『今日は?』





『うーん…草取り?』




『草取り?笑』




『来週の木曜日になれば花が届くからそれやれば良いんだけど…

だからぁ~…今日はプール下の花壇の草取り!!』




『りょーかい』





そう喋っている時にアタシは気が付かなかった


瞬くんが見ていたなんて






『…誰だよ?』